この私たちの人生で真実怖いのは、恐怖そのものではありません(中略)しかしなにより怖いのは、その恐怖に背中を向け、目を閉じてしまうことです(後略)』(『七番目の男』より引用)

長編小説でいえば年代が古いものが好きなんだけど、
短編小説では年代が若い方が好き。


おそらく同じ走るという行動において、短距離ランナー、長距離ランナーがいるみたく
文章を書くという作業においても、長編、短編で得意、不得意があるんだろうと思う。

『レキシントンの幽霊』の短編小説はすべて90年代に書かれているので、若いものとされる。

7つの短編小説が収められているけど、
『緑色の獣』、『沈黙』、『めくらやなぎと、眠る女』(これはかなり短くされているけど)は別の短編集で読んだことがあるので、また別の機会に。

・レキシントンの幽霊
著者の身に起こった実際のできごとを小説にしている。
「東京奇譚集」に収めれば良かったのに、と思ってしまうが。
ホラーホラーしてるのかと思ったら、そうでもなかった。
ケイシーが親の死について語る場面は、ちょっと考えさせられてしまった。
僕が今ここで死んでも、世界中の誰も、僕のためにそんなに深く眠ってはくれない

・氷男
相変わらず架空の話の広げ方がすごい。
おそらくテーマは孤独。
でも、僕にはちょっと難しい…。

・トニー滝谷
これもまた孤独な話。
僕にも昔の人が残していった手紙がある、それがトニー滝谷の場合洋服。

・七番目の男
男が自分の身に起こった話を語り続ける。
この短編集に収められている『沈黙』と似ている。
んで、一般受けしやすい類の小説だと思う。
他人から発せられるメッセージをいろんな面から捉えることが大事。
そしてそれに対してどんなことであっても目を背けないこと。

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